面接は、小学校受験の中でも特に重要な試験科目となっています。今後も少なくとも6年間子どもを受け入れるにあたって、子ども本人と両親の人柄や家庭の状況、家庭の教育方針を確認したいというのは小学校側の立場から考えれば当然のことと言えるかと思います。
3つの面接形式
面接といっても、大きく3つの面接形式があると言われます。
子ども面接対策のポイント
今回はこの③の子ども面接に対して、その目的や対策方法を記載していきます。
まず、なぜ子ども面接を実施するのかという点ですが、小学校側には以下の3点を確認するという目的があります。特に、保護者が同席しないことで、子どもの素の部分を見たいという意図があります。
聞き取り・話し方の力
面接官の話を理解して、自分の考えを堂々と相手に伝えることができるか
面接中の態度
「〜です」「〜ます」といった言葉遣いや、挨拶、行儀という点で、日常生活でしつけが行われているか
生活習慣
服装や身だしなみに問題はないか。基本的な生活習慣が身についているか
以上の3点は、一朝一夕に身につくものではありません。幼児教室や体操教室等でも早い段階から子ども面接を意識した練習が行われますが、やはり家庭での継続的な訓練が欠かせないと思います。
代表的な質問例としては以下の通りです。
主な面接質問
- ようちえんであそぶとき、なにがたのしいですか。
- すんでいるところはどこですか。
- しょうがっこうにはいって、たのしみにしていることはなんですか。
- すきなあそびは、なんですか。
- おてつだいは、なにをしていますか。
- なかよしのおともだちはだれですか。
- おともだちとけんかすることはありますか。
- おおきくなったら、なにになりたいですか。
- おとうさんやおかあさんにしかられるのはどんなときですか。
- おともだちとけんかしたときは、どうやってなかなおりをしますか。
- おとうさんのすごいとおもうところはどこですか。
- おかあさんのすごいとおもうところはどこですか。
- きらいなたべものはなんですか。
- すきなたべものはなんですか。
- すきなあそびをおしえてください。
- じぶんのよいところは、なんだとおもいますか。
- いまがんばっていることはなんですか。
- おとうさん、おかあさんに、ほめられたことはありますか。
- すきなどうぶつをおしえてください。
- とくいなことはなんですか。
- さいきんびっくりしたことはなんですか。
- じゅうしょとでんわばんごうをおしえてください。
以上の質問に対して、最初からスラスラ答えられる子どもは極めて少ないことと思います。最初のうちは「わかりません」と答えたり、返答できたとしても単語しか出てこないということも多いかと思います。
自信を持って質問に答えられるようにするためには、質問される内容・項目もある程度限られていることから反復練習に勝るものはありません。
ただし、同じ内容の質問を単純に何度も繰り返されたら、つまらなくて投げ出してしまう子も多いかと思いますので、そこでおすすめしたいのが「くじ引き練習法」です。
くじ引き練習法
「くじ引き練習法」というのは、以下のような練習です。
非常に単純な練習ですが、単調な面接練習をゲーム感覚で行えるので子どものタイプにもよりますが(ハマれば)非常に効果のある方法です。
ポイントとしては、「やらされ感」の強くなりがちな面接練習に可能な限り主体的な要素を組み込むこと、ゲーム感覚で楽しめるようにすることです。例えば、くじ引きに使う箱を豪華にするか、無地の箱を購入して子どもに好きなように装飾してもらうのも良いかもしれません。単純ですが、ぜひ一度試してみてください。
子どもの回答内容は親が作り込む必要はありません。親が作った回答をそのまま覚えさせるというのは本人のためになりません。ただ、回答のためのアシストは非常に大事です。例えば、将来の夢で「ケーキ屋さん」というワードが出てきたものの、理由が上手く説明できないようであれば、実際にケーキ屋さんに行って、色々な種類のケーキを見て、自分が選んだケーキを食べてみるという経験をさせてみるのが良いと思います。子どもが興味があること、もっと知りたいと思ったことに対しては「生きた経験」をさせる、それを言語化してみるというトレーニングというのは面接対策に限らず、子どもの教育にとり非常に重要です。これを先ほどの「くじ引き練習法」などで繰り返しこなせば自然と受け答えできるようになります。
初めはなかなか言葉にならなくても繰り返し練習することと、親子での対話を通して自分の考えを自分の言葉で伝えるトレーニングを積んでいけば子どもへの面接も決して恐れることはないと思います。
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