【はじめに】
小学校受験は非常に個別性が強く、子どもの性格や生活環境も十人十色ですし、男女差や志望校の違いなども一般化しづらい分野となっている理由かと思います。小学校が重視するポイントや考査内容も年々変わってきている点も、「〇〇しておけば大丈夫」といった対策を立てにくい部分でもあります。
それでも、小学校受験の対策を目的に出版された書籍の中で繰り返し取り上げられているポイントは、個別の学校対策や子どもや家庭の違いによらず、根本的かつ普遍的に重要な部分と言えます。
他方で、共通したポイントが取り上げられている場合でも、それに対するアプローチやアイディアは対策本によりバラバラです。それが各書籍の付加価値となっているのですが、受験対策を実践する立場からすると、時間が限られている中で、断片的な情報ではなく、より体系立てられた情報が欲しいところでもあります。
このような趣旨から「小学校受験対策本25冊をまとめてみた」というシリーズにて、先人の知恵をお借りしつつ、受験対策のみならず心得ておくべき生活習慣などといったトピックについて可能な範囲で体系化を試みたいと考えております。
今回は「合格する家庭の特徴」というテーマで書いていきます。
Contents
【特徴①】余計な情報に惑わされず筋を通せる
小学校受験は、中学校受験や高校受験、大学受験に比べて受験者が限られていることや学校からの情報公開も限定的であることもあり、
あの小学校は、縁故者でないと合格できませんよ!
といった都市伝説や噂レベルの情報が溢れているように思います。情報交換サイトなどにも、真偽不明の書き込みが多くあったりします。
そういった情報に流されていては疲弊するだけで百害あって一利無しです。
また、もう少し軽いレベルでは、
〇〇の塾の✕✕先生が絶対におすすめ!
教材は△△を使うべき!!
といった情報を基に、当初設定した家庭の学習計画を変更してしまう人も多いように思います。
でも、一度決めた計画や目標をコロコロと変えてしまえば、子ども本人が戸惑ってしまいますし、余計に時間を浪費することにも繋がります。綿密な計画と明確な目標を立てて、そこを原点として着実に受験準備を進めていくことが大切です。
情報収集面で不安があるということであれば、大手の塾に通い、塾から提供される情報をベースにするのが良いかと思います。巷に溢れる情報よりは信頼できる情報が多いかと思いますし、不安を感じた場合には先生方に直接相談できるというメリットもあります。
【特徴②】子どもに自信を付けさせる声掛けをしている
「ピグマリオン効果」という言葉をご存知でしょうか。
教育心理学者ローゼンタールにより実証された心理現象で、他人から期待されることが学習上のパフォーマンスに良い影響を与えるというものです。
合格する家庭では、褒めることによって子どもの長所を伸ばしています。「すごいね」「えらいね」という抽象的な言葉ではなく、具体的に「どこが」「どのように」良いのかというフィードバックとすることで、意識的に次に繋がるような声掛けにしています。
大事なのは、子どもを過大評価するということではありません。ありのままの子どもを認めてあげて、子どもを信じてポジティブかつ具体的なフィードバックの言葉を掛けてあげるということです。
【特徴③】心穏やかに保つ努力をしている
子どもとのコミュニケーションでは、子どもの話を落ち着いて聞いてあげる、子どもに自信を付けさせるためには、【特徴②】に書いたようなポジティブな言葉を掛けるといったことが大切ですが、いずれも両親の心が穏やかでないと実践できないでしょう。
「テレビやYouTubeが観たい!」といった子どもからのリクエストも全て禁止とするのではなく、話し合ってルールを決めた上で一部認めてあげるなどして良い関係を築くことが良い結果に繋がります。
【特徴④】子どもと同じ目線で取り組んでいる
小学校受験では子どもの好奇心や学習意欲を高めるような積極的な働きかけが欠かせません。上から目線で「やりなさい!」という言葉では短期的には効果があるかもしれませんが、小学校受験という長丁場では上手くいかないはずです。
子ども視点で興味を引く工夫ができるか、そういったアイディアをどれだけストックできているかが結果を左右します。
また、しつけやマナーといった部分では、大人が当然に取り組んでいる姿を見せることが大切です。例えば、お教室では先生方に子どもと一緒に元気よく挨拶する、話をする時にはスマホを一旦置いて目を見て話す、といったことを子どもだけでなく、親も同じように実践することを忘れないようにしましょう。
【特徴⑤】父親が積極的に関わっている
合格するかどうかで差がつきやすいのは、父親が小学校受験にどの程度関わっているかという部分です。
外遊びや日々のペーパー学習など、父親が積極的な関与をしている家庭は強いと言えます。また、家庭の精神的支柱としての役割も大きいです。
この点に関しては以下の記事にて整理しておりますので、ご覧頂ければと存じます。
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